塗香

私はお香の香りのする入浴剤を気に入って使っていますが、この頃またその入浴剤を注文する時に思い立って塗香(ずこう)も注文してみました。前々から興味はあったんですが今まで使ったことがありませんでした。最近、呪術のムックを買ったことで加門七海の本を読み返したりしていて、塗香のことを思い出した、と(笑)。梅栄堂というところの塗香を買ってみました。白檀の香りをイメージしていましたが、思ったよりもスパイシーなすがすがしい香りでした。和尚さんではない一般の者が塗香を使うというのは、ふつうは、写経のときや仏壇に手を合わせる時に、ってことのようです。が、私はただただ「素敵な香りアイテムのひとつ」として買いました。お香を焚くのも好きだし、お香の香りの入浴剤に入ってるぐらいなんで好きなんですね、ええ(笑)。手の平にパッパッと塗香を振りかけて手をすり合わせるとほんとうに良い香りが立ち上ります。そして、すんごいリフレッシュ効果があります。なんかこう・・・シャキ―ンとするというかね。というわけで、アロマや香水のような感覚で使っています。
ところで、本来は塗香入れという素敵な奥ゆかしい様子の専用の入れ物に入れて使うもののようですが、私もそのうち追々素敵なそういう道具を見つけたいと思ってはいますが、とりあえず、急場しのぎに入れ物を用意しました。ガラスのスパイス入れです。いい具合にパッパと粉が出て使い心地はすばらしいです。なかなかいいぞと気に入っていますが(笑)。それで、そうやって自分にスパイス入れで粉を振りかけていて思い出したのが「注文の多い料理店」ね(笑)。あれはホラ、山猫が、道楽で狩猟をしに来た都会の紳士たちを食ってしまおう!というので、もてなす風を装おって、紳士たちに自分で生クリーム塗らせたり塩こしょうなんかをふりかけさせるんだもんね。紳士たちはそうとは知らずに「寒いところを歩いてきたから肌をいたわってほしいと、ほら、こうしてクリームが用意されてある。なんて親切なことだ」なんて言いながら全身、耳の裏なんかにまでまんべんなく塗るんですが、さすがに塩やこしょうはおかしいだろう、と(笑)。その辺で気がつくのだったかな?ちょっと怖いんですね〜、あれも。最後に、「恐怖でしわだらけになった顔はもう元には戻りませんでした」ってのがなんだか後味悪いし怖いのでした。遊びで鉄砲撃って山荒らしてんじゃないぞ!という怒りも込められてるようなので、紳士たちへの罰が手厳しいものになっておりますよね・・・って、塗香からいろいろ飛躍(笑)。