夢野久作全集10

夢野久作全集〈10〉 (ちくま文庫)

夢野久作全集〈10〉 (ちくま文庫)

小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」を読んでいるにはいるんですが・・・と、何度かここで愚痴をこぼしながら読んでいるんですが(笑)。500ページほどある作品の、今200ページを少し過ぎたあたりまで読み進んできました。あいかわらずの調子なので、遅々として進みません。相変わらず、というのは、物語を進める役割の法水刑事弁護士の難解な説明の数々であり、それを解さないこのわたくしの様子、という2点のことです(笑)。ところで、その法水刑事弁護士ですが、なんだかわからない説明をしていたかと思うと、ひとり突然なにかに気がついたり、いやみらしきことを語ってみたり、急に物思いにふけってみたり、と、ここまで読んできててもその人物像というものがまだイメージできないでいます。物知りだってことだけはわかったんですが(笑)。ぶつぶつ言いながらも半分ぐらいまでは読み進んできたし、最後まで一応読むつもりではいるけど、読んでもわかるかどうか、そこは謎です(笑)。
さて、そういえば、と思い出して「夢野久作全集10」をちょっと読んでみました。買ってから数編読んでそのままになっていたものです。短編、中編の作品が収められてあります。まだ全部読んではいないんですが、なんかこう・・・ラフな感じのする作品群、というか、ちょっと濃度が薄めの作品が多いような気がします。私は「瓶詰の地獄」が今まで読んだ夢野作品の中で一番のお気に入り(お気に入り、ってのも変ですが)なんですが、それと比べてしまうからか、なんか薄味です。順番に読んでて、「S岬西洋婦人絞殺事件」まで読みましたが、この「S岬・・・」がまた・・・。「へ?」って思うような意外な展開でした。「ハッとする」ではなく「へ?」です(笑)。犯人が・・・・そっからでてきたか?!・・・いや〜・・・これはいわゆる掟破りっつうものではないんでしょうか・・・・。ちょっとポカンとしながら、でもとりあえず満足しました(笑)。私はやっぱり夢野久作が好きかもしれません。