クマさんとブタさんと


先日、実家に行ってちょっと片づけを手伝ってきました。物置がそのままタイムカプセル状態でした(笑)。いや、笑い事ではありませんが。懐かしいものがわらわらと湧いて出るので、とても楽しくて興奮するひと時でした(笑)。それで、こういうものを見つけてもらってきました。クマさんがおどけたようすで時計を抱えています。残念ながら時計の針は根こそぎ折れてます。私たち姉妹の、当時の激しい遊びっぷりが窺えるというものです(笑)。彩色は、どうやら吹き付けでされてあるようです。プレートを置いてシュ〜っと塗料を吹き付けたんでしょうね。ぼかし具合が絶妙で、陰影もあってイキイキしててかわいいです。裏には後ろの模様があってもよさそうなものですが、これは裏の彩色はなしです。
さて、タイトルに「ブタさん」と書きましたが、この知育おもちゃのどこかにブタが隠れているんですが、わかるでしょうか??・・・・いや、すみません、冗談です。ブタがいるにはいるんですが、裏に描かれてあるのです。そのブタは父によって描かれました。クマは左を向いてますが、ひっくり返した裏のブタは右を向いて立ってます。このクマの輪郭を見つめて想像していただきたいんですが、右耳のでっぱりがブタの鼻、三角帽子の先はブタの左耳、時計の文字盤はふくよかなブタのおなかのでっぱりになってます。襟付きのシャツを着てズボンをはいた、目の細いブタです。クレヨンでスイスイと描かれてあります。若くして亡くなった私の父は、絵がとても上手だったのでした。
子供心にもそのブタの絵の工夫と構図はすばらしいなと思ってたものでした。でも、ブタには悪いけど、ブタって、子供の世界では悪口にも使われるような存在なものだから、どうせなら更に工夫してもっとかわいくて素敵な動物にしてほしかった・・・などと心の中でひっそりと思ったりしてたのでした(笑)。裏の絵も写真に撮ればわかりやすいし、父の偉業(笑)を見ていただけるわけですが、娘達のために、それとも妻に感心されたくて、か?または、俺はこんなお茶目なことをするほどハッピーです、と両親に伝えたかったか、はたまた、ただのいたずらだったのか(笑)、今となってはわからないのですが、いずれにしても家族以外が見る前提ではなかったでしょうから、父があちらで慌てると気の毒なので(笑)、身内だけで「ほほお・・・」と眺めることにしておきます。