若冲が来てくれました

昨夜のテレビでたまたまチャンネルを家族がパッと変えたら「日曜美術館」で「若冲が来てくれました〜プライス・コレクション〜」という番組が映ってびっくりしました。なんでびっくりするかというと、ついこの頃その展覧会に行って来たばかり、だったので。
春先の頃だったか「和楽」を買いました。それまで「和楽」は書店で見かけては、ちょっと気になる立派な雑誌・・・と思いながら買ったことはなかったんですが、その号の表紙は真っ赤で真ん中に白い象のデザインでした。なんだかとても気になって、中をパラパラ見たら圧倒されるようなものすごい絵の数々が掲載されてありました。なんだかすごいな・・・と思い、付録の鶴の絵柄のクリアファイルも素敵だったので買ってきました。
メインは、アメリカに住むジョー・プライスさんという人がコレクションしている伊藤若冲という江戸時代の画家の作品の特集でした。若冲・・・??はて、なんて読むの?と私は思いました。全然知らない人だったのです。私のような人のために一応読み方を書こうと思います。「じゃくちゅう」だそうです。で、とにかくその特集の若冲はじめ、プライスさんのコレクションしている絵画は、なんというか・・・・どれもがすばらしい日本絵画なんだけど、なんだかどこかがお茶目。絵の中に人の気持ちが入り込む隙が用意されてあるような、とでもいうか・・・。いや〜・・・今まで知らなかったな〜・・・私はこの人が好きだな・・と思いました。若冲のことも好きだけど、それを集めてきたプライスさんも好きだ!と思いました。
さて、その「和楽」の記事の中に、震災の復興支援で東北をこのプライス・コレクションが巡回する、とありました。これはもう見に行かなくてはなるまい・・・!と固い決意を抱きつつ、なかなか見に行くことができないままに展覧会は仙台から岩手へ移動。そして、最近になってようやく見に行くことができました。被災地の子供達に是非見せてあげたい、という趣旨の展覧会だそうで、絵には子供向けにわかりやすいタイトルもつけられてありました。私が「和楽」で「目が合ってしまった・・・」と買ってきた表紙の白い象がどーんと描かれてある大きな屏風も見ることができました。圧巻、てああいうものに使う表現かもしれませんね。ほんとにすごかったです。若冲の他にもすごい絵がたくさんあるんですが、私は特に長沢芦雪(ながさわろせつ、だって)の「白いゾウと黒いウシ(白象黒牛図屏風)っていう絵が好きです。
展覧会のタイトルは「若冲が来てくれました」。ほんとにいいタイトルだなと思います。ここで出す例えとしてどうよ、と思われるかもしれませんが、困った時の「そうだ、ウルトラマンを呼ぼう!」ってセリフがあるじゃないですか、あれを思い出します。被災地になにか明るい色彩を・・・そうだ!若冲に行ってもらおう!と、アメリカのプライスさんが考えて、かわいくて迫力があってお茶目な素晴らしい動物や花がプライスさんから気持ちを託されて、海をどんどん元気に渡ってやってきたようなイメージがあって、私はそこにとてもしみじみ感激しました。