セブンイレブンペコちゃん・2013と「人形」


友だちから何日か前に「セブンイレブンに着物のワンピースを着たペコちゃんがいた」という情報をもらっていました。おっと!日々の忙しさに追いまくられていたが、そうか、そういう時期でしたね?!と、忙しさも一段落したこの頃、やっと手に入れてきました。着物のワンピースのペコちゃんではなくて、着物のペコちゃんにしました。着物姿のペコちゃんを私は持っていないし、今年の不二家の初売りの晴れ着ペコちゃんも買いそびれて残念だったし、ってことで。レースの半襟で、さりげなくここ最近の流行を取り入れている様子。さすがペコさん。ワンピースの方は、よく小さい女の子が浴衣バージョンのそれを着てますが、着物っぽいんだけどミニスカートのワンピースドレス、みたいな。ペコちゃんもそれをかわいく着こなしておりました。
写真右側のペコちゃんは、何年か前のセブンイレブンペコちゃんです。私が持っているセブンペコちゃんの一番古いのはこのペコちゃんです。ダッフルコートの下はピンクのジャンバースカート、ファー付きブーツに、この写真には写っていませんが、同じくファー付きミトンをはめて、ミルキーのロゴ入りのリュックも持ってました。今年のペコちゃんで我が家のセブンペコちゃんは5体目なので、切りのいいところで初代(私の持ってる中では)のペコちゃんと一緒に写真を撮ってみたのでした。
さて、話変わって、図書館から借りてる小林秀雄ですが、目次をぱらぱら見ていたら「人形」という文字が。思わずハッとしました。これはもしやあれか?と思い、読んでみたらそれでした。なんなのかというと、もういつ読んだのかも何で読んだのかも覚えていないんですが、そして著者が誰かもまったく覚えていなかったんですが、とても印象的な文章で、ずーっと記憶に残っていたものだったのでした。
「急行電車の食堂で夕食を食べていたら上品な老夫婦が前の座席に座った。婦人は古い大きな男の子人形を抱えている。どうやら死んだ息子の代わりではないか。運ばれてきたスープをまずは「息子」の口元へ持っていき、そうしてから自分が口にする。その時私の隣の空席に大学生らしい若い女性が腰掛けた。彼女は一瞬でその事態を理解したようであった。その後も、夕食はごく自然に和やかに進んでいった。」場面だけを要約するとこんな感じです。
筆者は、恐らく正気を失っていると思われる婦人を痛ましく思い、それ以上にその様子を黙って見守る夫の様子にも強く心を打たれているのが短く淡々とした情景描写から伝わってきます。目の前の「異様な会食」を当たり前のように受け入れることが、老夫婦の悲しみに添うということ、と筆者は考えたということだと思うんですが、そこへ見知らぬ若い女性が途中から同席し、恐らくは自分と同じ考えでその場の調和を保った、というところに筆者は安堵して、一言もそんなことは書いてませんが、感動すらしたかも、です。以前読んだのがいつなのか、やはり思い出せませんが、こうして再び読んでみてもやっぱり心に残る文章です。今度は忘れない(笑)、私が好きな「人形」というエッセイを書いたのは小林秀雄だ、とちゃんと覚えておきます。