寺山修司・ラブリー編

寺山修司少女詩集 (角川文庫)

寺山修司少女詩集 (角川文庫)

寺山修司はほんとにびっくりするほどいろいろな活動をした人だなと思います。
短歌、俳句、小説、詩作、ラジオドラマ、それに競馬・ボクシングへの深い知識による解説などの活動などなど。変わったところでは「あしたのジョー」の作詞や力石のお葬式の葬儀委員長とかも。晩年は演劇の人、というイメージですが、演劇や映画の作品は、どぎつくてグロテスクだったり、無気味であったりのものが多く、鑑賞には気合とちょっとした勇気と、体調を整える必要などがありますかね〜(笑)。でも、詩や短歌の一部には、ラブリーで明るくてかわいいのがあります。この詩集は、そういうラブリー要素が多いかな、と思える1冊です。
で、たしかに寺山修司作品は独特でなんだかすごいんですが、そういうなんだかすごいことになってる作品たちのこともちらっとでも見てから、またこの詩集を眺めると、このラブリーな世界が(実はきわどく毒もいっしょにはらんでるんですがね)いっそうその可憐だったり、青かったりのかわいらしさをを際立たせてくるような気がします。