- 作者: 寺山修司
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2000/04
- メディア: 文庫
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寺山修司の短歌や俳句は、他人の句を引用して創作してあるものがある、ってことがよく取りざたされることですが・・・。「模倣小僧」と揶揄され、ってことを番組でも取り上げてました。他にも、実際に起きていない架空のことを詠む、ってのもあります。お母さんが存命にもかかわらず、亡き母の、ってやっちゃうわけですね。もしかしたら現代はそういうところには寛容になってきているんでしょうかね??私は短歌や俳句のことはさっぱりなのでわからないんですが・・・。ただ、寺山修司がせっせと創作していたころは、自分の身の上に起きた出来事や、それによって胸に去来するあんな気持ちやさまざまな気分を詠むものだ、ということだったってことですか??いや、寺山修司のいろいろが載ってる本を持っているんですが、そこに当時の評論家がかなり手厳しく「起きてもいない事柄を勝手に詠みまくるけしからん者」みたいに書いてるのがそのまま載ってるもんで・・・。そういうものなのかな〜って思って。寺山修司が何を考えてそういう創作をしていたかはわからないけど、本人が「職業は寺山修司」と言っていたそうなので、「寺山修司」という人間にはそういうできごとや過去があるということなのかな、と思います。そして、「職業は寺山修司」と語るその本人は、「寺山修司」をプロデュースしていたってことかも、と。
「赤糸で縫いとじられた物語」という、寺山修司の童話があります。童話っていっても、実際に子供に読み聞かせるにはどうか、みたいな(笑)、まあ、ちょっと不思議なお話し集なんですが。その最後のページの一番最後に「ひとはだれでも、実際に起こらなかったことを思い出にすることも、できるものなのです」とあります。そういうことなのかな、つまり。