江戸川乱歩9%


大阪に行っていた家族がおみやげにチーズケーキを買ってきてくれました。「リクローおじさんのチーズケーキ」です。以前、あれは「ケンミンショー」だったと思いますが、テレビでこのチーズケーキが紹介されていました。家族がそれを覚えていて、せっかくなのでと並んで買ってきてくれたということでした。ふわふわでさっぱりとしていてとてもおいしかったです。たまごボーロのような味のふわふわ、とでもいうか(笑)、いわゆるチーズケーキの味、とも違う食べたことない味わいでした。上のセロファンを上手にとれなくてちょっと剥けてしまいましたが、リクローおじさんの顔を記念に撮ってからおいしくいただきました(笑)。
さて、楽しみにして少しずつ読んでいるKindleで買った江戸川乱歩全集。26作品まで読んで全体の9%まで進んだようです。ここまでは短編が中心です。この先は、少年探偵団シリーズも出てきて、中長編も増えてくるようです。
前にも同様の感想を書きましたが、江戸川乱歩は作中「読者諸君」にしょっちゅう語りかけてきます。それが作品から集中をそらすことができない大きな要因のひとつとも思われますが、こうしてまとめて次々と読んでいて新たに気がついたのは、心理描写が徹底している、ということです。例えば、犯人が自分の罪が露見すると気がつきかけた時の焦燥感とか、変に自信を持ってひとりほくそ笑んでいる時の気持ちとか、こういう感じだよね、と読みながら想像するわけですが、そこに裏付けるようなとても細やかな心理の描写がなされてあるのです。そこで、やっぱり!といちいち腑に落ちて(笑)、文章のひとつひとつと完全に足並みをそろえて読み進めることができるように感じます。それは、隣で並んでガシッと肩を組んだだれかと「ふむふむ」なんてうなずき合いながら読み進むようなイメージです。作品から気をそらすことができない強い力は、奇想天外な作品のおもしろさということは言うまでもなく、「読者諸君」と話しかけられたことからくるものだけではなかったのね、と今更ですが理解しました。なんというか、魔力を感じますわ(笑)。小学生の時にみんなで夢中になって図書室でどんどん借りて読んだものですが、本の方から寄り添ってきてあっという間に好奇心を鷲掴み(笑)な感覚を子どもたちもキャッチしてたということなのかもな、なんて考えてます。