ナノブロ・こけし、そして「ない」について


しばらくぶりにナノブロック売り場に行ったら、いろいろ新商品がありました。サグラダファミリアのデラックスとか万里の長城とか、壮大なものからこんなかわいいものまで(笑)。こけしです。あら〜・・・とてもかわいいです。大きいのと小さいのと、2種類作れます。大きい、といっても小さいんですがね(笑)。小さい方には目や口がついていないので、自分でちゃちゃっと描いてあげるのも一興かもしれませんですね(笑)。このこけしの他に来年の干支、ニワトリも売っていました。これは買っていってひよちゃん(*うちのペットのにわとり)のフィギュアということにするしかあるまい、ということで買ってきました。羽の配色がひよちゃんと少し違うので、よりひよちゃんに似せるべく、手持ちのブロックで作ってみようと思っています。
さて、話しはがらりと変わるんですが・・・、先日、講演会に行ったことを書きましたが、講演会といえば、ってことで思い出したのが小林秀雄の「処女講演」ていうエッセイです。小林秀雄は難しい評論を書いていますが、私は面白く読める氏のエッセイが好きで、特に好きなものの中にその「処女講演」というのがあります。これは、小林秀雄が若い頃、初めて講演の依頼を受けたものの着る服がないというので志賀直哉のところに借りに行ったけどサイズが合わず、たまたま来ていた志賀直哉の甥の画家がたまたま背広を新調していてそれを借りて講演した、という事が書かれてあります。それで、初めての講演はどうだったかというと、緊張をやわらげるために直前に飲んだビールが回り、とかで(笑)なんだかすっかり思うようにいったわけではなかったようなことも書かれてあり、味わい深いんです。
そして、とにかく講演料も手に入り、若き小林秀雄は借りたスーツがとてもぴったりで自分に合うし、すぐには返さずにいた、ようやく1週間以上もしてから返しにいったら、途中の道端で、貸してくれた志賀直哉の甥の画家が下着姿でデッサンをしていた、と(笑)。「やあ、失敬といふと、ひどいよ、これでは何処へも行けないよ、と言った。」  で終わっています。初めてこれを読んだ時はサトウサンペイみたいな絵柄でその情景が浮かんできて、思わずふふっと笑いました。昔の「ない」っていうのはほんとに「ない」んだな、とも思うんですが。それにしても、下着姿でいなくてもよさそうなものですが(笑)、なかったのかな〜・・・(笑)。