映画「のぼうの城」を見た

『のぼうの城』オフィシャルブック

『のぼうの城』オフィシャルブック

野村万斎(好き)が主演で、エレカシ(好き)が主題歌の映画ということで(笑)、これは見なくちゃなるまいよ、と心に決めていた映画、「のぼうの城」をこの頃見てきました。「五百対二万の戦い」に勝利したある戦国武将、の物語が中心になっているわけですが、さて、ではどのようにして勝利をおさめたものか、「のぼう」っていうのは「でくのぼう」の省略形らしいが、万斎の役どころがほんとにただのでくのぼうなのか、実は切れ者なのか、というあたりが興味をひきつけられるポイントでありましょう・・・。で、兵力からすれば完全に分の悪い戦いを、いかにして万斎サイドは有利にすすめたのか?!については、映画の中で明らかになるわけですが、万斎の役どころがほんとはどういう人物なのか、については、明確な答えは出されないまま、という感じです。ただ、人心をガッチリ掴む魅力的な人物である、ということだけはよくわかりました。彼の人徳によって忠孝の家臣が集まり、農民も力を合わせ、敵方までをも魅了する、ってことで。
特に、家臣が粒ぞろいなんですが、その中でも特にすごいのが佐藤浩市が演じた武士・丹波。冷静且つ豪胆、男気もあって剣術も達者で切れ者、っていう、欠点など何ひとつないような(笑)、腹心の部下であり万斎演じるところの武将の幼馴染でもある、という彼の存在が大変重要でありますよ・・・。こんなすごい人が側付きならそりゃあもう、ね〜・・・などと思ってしまいました(笑)。でも、万斎はあのとおり、妖しげで一筋縄ではいきませんよ、というイメージの人なので(私は彼のそういうところが好きです)ただのでくのぼうであろうはずがありませんでしょ、という暗黙の了解がもちろんある上で成り立っている映画ですよね??だから、完璧とも思える佐藤浩市武士の隣で、万斎武将がふわふわしながらも、更に大きな視点で俯瞰しているっぽい・・・底知れぬ人物よ・・・(口調を時代劇風にしてみました 笑)とどうしても思わせられるのでした。う〜む・・・やはりあの映画、万斎ありき、なのです。見終わって数日経ってますが、後からじわじわ来る感じです。史実に基づいた物語、ということもあって、見終わった後なんだかちょっと賢くなったような気分にもなりました(笑)。
エレカシの主題歌もビシっと決まってます。CDで聴き、初回限定のプロモ入りDVDも見て、予習してから映画を見ました。「戦う」男のひとり、ミヤジと、映画の中の武士たちの清くて一心な戦いぶりが重なります。たたかう武士のひとりひとりに捧げられる歌のように感じました。