読み終わりました

なんのことかというと、「ドグラマグラ」です。とうとう、というかやっと、というか読み終わりました。さて〜・・・読み終わりましたが、途中からうっすらと予想してあきらめていたようなところがありますが、やっぱり物語の核心には、到達できなかった・・・という思いがしています。肉薄したんだけどな〜・・・。もしやそう思ったことも錯覚だったのかな(笑)。作者・夢野久作がしかけた「真実」の周りを、引き寄せられたり引き離されたりしながらぐるぐるぐるぐると回り続けた感じです。で、ふつう、翻弄されつつも物語の核心が最後には明らかになってもよさそなもんですが・・・(笑)。
主人公の、発狂しているという設定の青年が、極めてふつうというか、きちんとしていて、むしろ周囲の人物の方がよほどキテレツというか異常というか。学術のため、という、一見正当と思われる理由で、また、主君への忠義のため、という理由でこれまた芸術を結果極めることになる、この物語の中の大事なエピソードのひとつがあるんですが、どっちもこれは、いや〜・・・無茶でしょ、っていう(笑)。ネタばれになるので奥歯にものを挟んで書いてますが(笑)。
もう、どのように考えていいのかわからない物語の運びと終わりなんですが、読み終わっても読み終わった気がしない、珍しい本です。ぐるぐる回って、気がついたらなにも変わらずもとの場所に戻っていたような。ほんとにこの長大な物語を読んだのかね・・・みたいな(笑)。いや、読みました。細部もちゃんと覚えてます。でも戻ってしまったよん・・・。で、思いますに、あの本に書かれてあることは、主人公の青年の頭の中で連日繰り返されていることではなかろうかと。あたかも、身をもって経験してるように感じるだけで、ほんとは頭の中で繰り返されては完結し、また始まっていることを詳しく私は読んだということではなかろうかって思うことにしました。だって、そう思わないとつじつまが・・・。ま、これもムリのある考え方かもですが・・・。う〜ん、やっぱり夢野久作って魔人かもですよ。敬意を払いつつそう思う(笑)。