- 作者: 片山令子,片山健
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2006/11/10
- メディア: ハードカバー
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おかっぱ頭の「ひろこさん」(片山健の絵本の少女はおかっぱあたま率、高いですね)が、冬の寒い日、部屋でせっせとお手紙を書いてます。あて先は、「いっしょにくるみをひろったりすさま」だったり、「いしをひろっていたときあったとかげさま」だったりです。とかげには、「あのときしっぽをふんでごめんなさい。」という手紙とともにカットバンのお見舞いも同封した模様です(笑)。他にも、ことりや野うさぎにもそれぞれ手紙を書いて、「春になったらもみの木のしたであいましょう」と、手紙を結びます。そして、その手紙を持って、森のもみの木にぶら下げます。いろんな動物や、たぶん草花にも、もちろんもみの木にも、とにかく「森のなかま」に手紙をたくさん書いてはもみの木にぶらさげるんです。そうしているうちに本格的に真冬になって、もみの木にも雪が積もって、カラフルな手紙をいっぱいぶらさげている様子はまるでクリスマスツリーみたいです。
さて、雪がとけるころ、もみの木の下にひろこさんが行ってみると、「もみの木の下で会いましょう」と手紙に書いたのに誰も来ていないし、手紙はすっかりなくなっているしで、「風で飛ばされたのかな・・・」とひろこさんは思いながら帰っていきます。そして、もっとあたたかくなったある日、玄関を開けてみると、そこに動物たちからの「合図」が置かれてあって、もみの木のところに行ってみたら、みんな集まってました。手紙をちゃんと読んでいたようですね、これは、ということで、なんともほほえましい絵本です。
この絵本でいくと・・・、今のこの季節は〜・・・・、雪がちょっととけかけてきてひろこさんが春になったかな?と出かけてみたけど誰もいなかったです、っていうあたりでしょうか。立春過ぎたけど、まだほんとの春ではないかな、ってことで。
真冬にはひろこさんは帽子、マフラー、オーバー、手袋で完全防備ですが、「合図」を見つけて野原に飛び出して行った時はセーターだけの上着なし。そんなところにも春のかろやか〜なところがうきうきと出てます。