いいことってどんなこと

立春が過ぎましたね。今日はずいぶんあたたかい日でした。まだまだ景色は冬ですが少しずつ春に近づいていることを日々実感します。
さて、この絵本、雪解けが始まってきた冬の終わり・春の始まりの頃、軒下から垂れてくる雪解けのしずくがうれしそうなのでこの表紙のおかっぱあたまの女の子は、「どうしてそんなにうれしそうなの?」とたずねます。しずくは「いいことがあるからよ」と答える、と。女の子は大変気になって「いいことってどんなことだろう?」と、雪のまだまだある野に出かけていくんです。「いいこと探しの旅」ですね。
出かけた先では、りすや小川や、とにかく出会うものみんなが嬉しそうで、「いいことがあるの」と同じようにうきうき答えます。女の子は、なんだかみんなばっかり嬉しそうで、なにがそんなに嬉しいのかよくわかんないわ、みたいにちょっと疎外感を(そんな深刻でもないんですが・・・笑)感じます。そして、雪に足を取られて転んで、いよいよがっかりしてたら、耳元にかすかになにか音がして・・・・、というのでその雪をよけてみたらスミレが咲いていたんですね〜。女の子もようやく「いいこと」を見つけました、というわけです。みんながうきうきしてた「いいこと」を自分もちゃんと見つけてよかったね、ってこちらもほっとします(笑)
「いいことってどんなことかしら」ときりりとした顔でずんずんと野に入っていく女の子の様子がほほえましいやら頼もしいやら(笑)、とてもかわいい本です。
同じく片山健の挿絵で「もりのてがみ」っていう春を待つテーマの素敵な絵本があります。やっと手紙を書けるようになったぐらいの小さな女の子は、この絵本が好きみたいですね〜。こんなに大きくなっても私も好きですが(笑)。