てぶくろ

てぶくろ (世界傑作絵本シリーズ)

てぶくろ (世界傑作絵本シリーズ)

雪の上にてぶくろが片方落ちてて、そこにどんどん動物が入り込んで「住む」ほどのいきおいでくつろぐんですが、なんとも不思議な絵本です。もぐりこむ動物の大きさがどんどん大きくなります。まずは、ネズミ。ま、ネズミぐらいなら入れるかもね・・・、かえるも来たか・・・、まあ、かえるもなんとか・・・、ウサギも?・・・このあたりから、この絵本は尋常ではない(笑)と気づいてきます。
さて、動物は次々とやってきては「いや〜、いいうちだね〜」みたいなことを言って中に入ってしまうんですが、ページごとにだんだん、その「てぶくろハウス」のしつらいというか、外装もおそらく内装も快適になってきていることに気がつきます。窓だの煙突だの・・・。最後はてぶくろの縫い目もはちきれそうなんですが、なんとかもちこたえます。
これはロシアの絵本で、同じくロシアの名作「おおきなかぶ」みたいな「だんだん増えるおもしろさ」ジャンルのものですね。「オオカミが入りました。それでもてぶくろはやぶけません」みたいな(笑)

てぶくろにどんどん動物が入るという「??」なナンセンスぶり、でも、絵がなかなかリアルで美しい・・全然ふざけていない大まじめな絵本ってことで、ちょっとどうしていいか(笑)わからなくなってくるんですが。小さな皮製のミトンの中でぎゅうぎゅうに詰めあってほかほかしている動物たちを眺めていると、なんだかてぶくろの中の湿気とか、暖炉の薪の匂いとか、そういうものを感じることができます。冬の山の中(絵本の場面は森かな?)のなつかしい感じが漂ってます。