心中をせんと泣けるや雨の日の白きこすもす紅きこすもす


10月になりましたね。いろんな場所にコスモスが咲いています。公園で、草みたいに、砂地のざらざらしたところに自由に咲いてるコスモスの写真撮りました。コスモスは私の好きな花のひとつです。ああいう「花らしい花」の形っていうんでしょうか、あれがいいですね。子供に「花の絵を描こう」って言って描かせたら、まずだいたいはああいう形の花を描くんじゃないかと思うんですが。あ、でもチューリップも子供には人気だからチューリップ描かれるかな・・・。いずれ、真ん中丸くて周りに花びらいっぱい、のあの形が私は好きです。
で、コスモスを見ると必ず思い出すのが、与謝野晶子の「心中をせんと泣けるや雨の日の白きこすもす紅きこすもす」っていう短歌です。学生のころだったかな、新聞の「今日の短歌」みたいなコーナーで紹介されていたのをある日見て、忘れられなくなってしまったのです。そこから与謝野晶子や短歌に傾倒し・・・、とはならずに、単発でこれだけが好きですね〜・・・。
心中をしようねと相談する事情というのは計り知れないものがありますが、そばに咲いてるのがコスモスっていうあたりがなんとも切ないな〜と思います。コスモスには、可憐とか、清廉、とか時には清貧みたいなイメージもあって、台風の後なんかになぎ倒されても、よろよろとまた起き上がったりするような雑草的な強さも感じられます。
もはや飾り気もなにもない雑草みたいな「こすもす」が、雨の中で泣きながら悲しい相談なんかしている情景は、なんとも切ないなと思うのです。