スイッチョねこ

スイッチョねこ (フレーベルのえほん 7)

スイッチョねこ (フレーベルのえほん 7)

大佛次郎の絵本です。大佛次郎というと、大の猫好きで知られている作家のひとりでしょう。「猫のいる日々」っていうエッセイがありますが、猫への深い深い愛情が読み取れてほほえましい本です。「訪ねて行った先に猫がいさえすれば、まったく退屈することはない」というような内容のことが書かれてる部分があって、私は大いにその部分に共感したものでした。
その「猫のいる日々」にこの「スイッチョねこ」も収められていますが、絵本単体を見つけたので何年か前に買いました。この絵本は絵がとてもかわいいです。安 泰(やす たい)という画家の絵ですね。全ページ、「猫ってこういう表情するよな〜・・・」と思える絵ばかりです。すごくリアルなので、スイッチョを呑み込んだしろきちを診察するとらねこのお医者さんが2本足で立って聴診器で診察しようとまったく違和感なしです。このお医者さんの診察で「耳がつめたいから熱はない」とか「鼻にしわをよせて大きく口をあいた」とか、とにかく猫の様子がこまかく描写されてて、猫好きには大変楽しめる内容です。
今年は毎日暑くて、なかなか秋を実感できませんが、この絵本を読むと、すっきりした秋晴れの澄んだ空気と、冴え冴えとした秋の夜、そして、猫はやっぱりかわいいですということをつくづく感じます(笑)