じゃがいもポテトくん

じゃがいもポテトくん

じゃがいもポテトくん

じゃがいも一家が北国から出荷されて八百屋に並び、それぞれいろいろな家庭に買われていきます。それはまさに一家離散・・・、かわいそうな別れだったりします。でも、思いがけず喜びの再会を果たしてほのぼのしたところでおしまい。いや〜、じゃがいもにもドラマがあるわ・・・と思った次第です。子供はこの絵本でいろいろなじゃがいも料理に興味を持つかもしれませんね。
この作者の絵本が好きなので新しく出ればほぼ読んでます。いつもほのぼのしてて、ちょっととぼけた味があって笑えて、っていう本が多いのでそういうものだと思っていましたが、数年前にいつものつもりで何気なく「ぼくがラーメンたべてるとき」という絵本を見ました。これはハッと胸を衝かれるような、冷たい水でもかけられたような気持ちにさせられる内容です。いつものほのぼのした作風のままの、それなのに思いがけないヘビーな内容が強烈なインパクトでした。
さて、この作者はいつもその絵本のページの中に遊びが入ってまして、どのページにも「なにか」がいます。そこに注目して眺めるのもとても楽しいです。そういう仕掛けは他にもよくあるとは思いますが、でもだいたいは、さっきのページでは草の上にいたバッタがこのページでは花の上、みたいな程度の遊びだと思うんですが、この作者の絵本の「なにか」の登場の仕方はもっと脈絡なくておもしろいです。そういうところも私は好きですね〜。