死者の饗宴 ていう本

1週間ほど前かと思いますが、たしか新聞休刊日の前日の新聞でしたが、朝日新聞の本の紹介の記事から気になったものを見つけました。識者が本を紹介するコラム形式の記事で、その記事を書いていたのが東雅夫という方。この人は加門七海と一緒に不思議を追求するというか、探検したり、というかとにかく私の好きな作家の加門七海の「仲間」であると認識しているわけです。その東雅夫が紹介する本ならきっとおもしろいに違いないと確信した私は、早速注文してみたのでした。イギリスの短編集です。「不安と恐怖と眩暈と狂気に彩られた」なんて帯に書いてておどろおどろしいんですが(笑)、そうなのかな?最初のひとつを読んでみました。もったいないので少しずつ読みます。
最初の短編は、神聖なる儀式に使う宝石を盗んだために身に降りかかる恐怖よ、というはなしです。その恐怖はわかりやすくドーンとはこないで、じわじわと湿っぽく、片時も休まず滲出を続けるようないや〜な感じを受けます。そして、物語の始まりも唐突で。この場面に来るまでの長いエピソードを既に読んできたかのような錯覚を起こすんですよね。読み始めた途端、いきなりヘビー且つダークネスな場面に引っ張りだされる戸惑いと、その訳のわからなさを不安に感じながら、ポツポツとそこここに置かれた手がかりを頼りに慎重に読み進め、それでも読後は「??」って部分がかなり(笑)。自分でエピソードを補いながら読めばいいかもしれない。うむ。きっとそうだ。たぶん(笑)。